2016/09/27

【働き方改革は具体化するか?】

安倍首相は働き方改革を前面に出し、それを受けた経団連も「働き方改革宣言」を発表した。
 働き方改革宣言 :  http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/056_sengen.pdf
 ただ、政府は具体性に乏しいし、経団連は、いまだ時間外労働・在宅勤務という言葉程度にとどまっている。



  一方、旧態然とした動きの遅い大企業の人事を尻目に、どんどん走り出している企業も多く、それらの会社が働き方改革の時代を具体的に牽引している。
 副業の観点では、日産, 富士通, 東芝等の大企業が、2009年頃から副業容認に動き出した。しかし、この時点ではリストラに伴う賃金低下に対する苦肉の策であった。それに比して、近年、花王, ロート等の積極的な副業解禁が動き出し、政府の方針も合いまって、多くの会社の経営者や人事が新たな働き方の方針を真剣に検討し始めている。

 その中から新たな働き方のアプローチを探ってみた。 

<その1:パラレルワークという言葉で推進する一味違うアプローチ>

  • サイボーズ 青野社長は、”育児・ボランティアと仕事を両立させたい人、自分の会社を持ってる人”たちを、入社をお勧めしたい人として大事にしている。結果として、離職率が非常に少なくなった。

<その2:専業禁止!を合言葉に>

  • エンファクトリー加藤社長の考えは先進的だ。“副業をやる人はそもそも優秀である”という基本的な考えのもと、 ”「自分はどこでもやっていける」という自信をつけることが、エンファクトリーを変革する力にもなり、社員のプロ意識やマネジメント能力を高めることにも効果がある” という育成のための積極的な人事方針を示している。

<その3:パラレルキャリアからハイブリッドキャリアへ>

  • NPO法人二枚目の名刺の代表理事の杉谷氏は、”2枚目の名刺を持つくらい本気で社会活動に関わってみてください。その踏み出した時のワクワク感が自分を変える”と考え、名刺を複数持つことが当たり前の社会を目指して挑戦したいと言う。
  • 一般社団法人UPの山下氏は、”パラレルキャリアで自己実現を目指す人の活動を支援し、本質的な学びの場と社会で活躍できる人材を創造したい“という。

<その4:“できること”プロフィールを公開し、個人の能力をブランディングする>

  • 株式会社ご意見番の作り上げたインフラ「お知恵バンク」は斬新だ。退職してブラブラしている父親を見て考えたという社長栗田氏は、”知恵と経験を持ったシニア世代(40歳を超えれば十分知恵と経験のあるシニアだ)の「私のできること」のプロフィールを公開し、名刺を作成してあげて、その人の能力のブランディングを支援する。それこそが、新たな働き方への支援となる”と考え、クラウドマッチングサイト「お知恵バンク」を立ち上げた。

(*)1,2,3,4いずれも若い世代のリーダーの新たな発想が前面に押し出され、まさに本質的なの働き方改革に挑戦している。頭の固い我々シニア世代は、政府・経団連・大手企業の動きの評論家になるのではなく、上に挙げたような働き方を変革できる若いリーダー・先進的な会社を応援することで日本の深刻な課題「働き方改革」を支援していきたい

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