2014/06/21

【タイの工場管理】「海外工場・現場の悩み」②


海外工場・現地法人に赴任した社長・工場長・管理職には、多くの悩みがある。このコラムではそれを1つずつ挙げていき、その解決法を経験に基づいて示していきたいと思う。

政府・自治体の協力を得ることは非常に重要な業務

BOIへの申請、VISAの取得、労働法の遵守、電気・水のトラブル等々において、タイの政府・自治体等の協力を得ることは、非常に重要な業務で、精通した日本人・コネのあるタイ人等の人脈に助けられた人は多い。逆に、ここに関してまったく白紙の計画で進出すると、一から始めて多いに苦労することになる。

生じやすい輸出入のトラブルにいかに対応するか?

実業の生産のための“装置の搬入・部品の購入・製品の販売”は、いずれも輸出入の管理の対象となる場合が多く、これも悩みの種になる。特に何かトラブルが起きた場合、たとえば、インボイスのミスを指摘されたとか、嵐でフライトが止まったとか、に接して、いかに早く問題を解消するか?数あるトラブルの経験の中で、社員の処理能力が上がり、対処できるようになるものだが、手に負えない大きな緊急事態も出てくる。その時に外部のロジスティックスの専門家・実力者の知り合いを持つことが大きな手助けとなる。

タイ人のモチベーション維持に必須な宗教行事

タイ人は宗教行事を非常に大事にするので、工場の中でも積極的に取り入れ、社長・工場長がサポートすることが重要である。それが仕事に対するモチベーションにも影響するので、モチベーション維持のためにも欠くことができない。ただ、宗教行事に限らず、タイ人はイベントの好きなので、日本人の上層部としては、タイ人の世話役(総務・人事)に対し、それなりの人と権限と費用をサポートさえすれば、ことはスムーズに運ぶ。“忙しいから今年はキャンセル”というような野暮な決定は極力避けたほうがよい。

時間管理は工場によって違う。良い工場の例を見よう

時間管理に関しては、放って置くと日本人に比べ、ルーズなのは間違いないだろう。ただ、どの工場も同じかというと明らかに違う。こういった項目では、それぞれの会社・それぞれの工場によって、すなわち歴代社長・工場長のやり方によって、明らかに差が出る。タイの工場は一般的に“こうだ”と思い込む前にいろんな工場を見ることをお勧めする。
“朝礼をする。体操をする。挨拶をする。机を整理する。”等々いろいろなやり方があると思うが、トップがこうしようという意思表示をし、自ら率先してやることが重要である。そういった良い工場の例はすぐに見つかると思う。そのことが、訪問されたお客様にも伝わりよい印象を持っていただく場合が往々にしてあるし、無駄な時間を減らし稼働時間を向上するという観点からも、生産性の向上につながることにもなる。

2014/06/13

【誕生日】と訃報 

 今日は還暦で生まれ変わって2回目の誕生日! Facebookの友人から多くのメッセージをいただいた。 多くの方に声をかけていただき嬉しい限りだ。

 ただ、昨晩は、テニス・ゴルフを共にやって来た友人・スポーツライターの永谷脩さんの突然の訃報を聞き、本当に落ち込んだ。
 
 折角の誕生日、愛の映画を見ようという事で 夫婦で「アナと雪の女王」の美しい映像を見て、ゆったりとした時間を過ごした。

映画『アナと雪の女王』松たか子が歌う本編クリップ

https://www.youtube.com/watch?v=AoUxjQOQW7A

2014/06/08

【Japan Inside Sriracha】日タイ連携とシラチャコミュニティ

 IA工房4つのテーマが、”シラチャ”という町に繋がっている。

 シラチャは、バンコクの東南100kmのところにある、日本人工場戦士が多く住んでいる町(7000-10000人ほど居て、これからの新興アジアの日本の製造業のひとつの基点となる町)で、2000年から2005年まで、私も赴任していた。

  • 1995年からシラチャで始めたゴルフ。 
  • 2003年から始めた"シラチャ便り”のホームページコミュニティ支援。
  • 昨年シラチャに設立したJI Solutionという海外工場支援会社。

  その4つを引っ搦めた活動が、だんだん具体化して繋がって来た。

< 最近の活動と至近の計画 >
  • ほぼ月に1回シラチャに行く。
  • それに絡めて、2ヶ月に1回(奇数月)、シラチャゴルフプチ移住のイベント企画。
  • ”シラチャ便り”からの生活情報等の提供を強化。
  • 若手のシラチャ長期生活者との連携
  • オフ会(食事会)の企画。
  • フリー紙(OHAYOシラチャ等)との協業
   JI SolutionとTPA(泰日技術振興協会), EIT(タイ王立工学会)等との協業を通じて、日タイ産業連携の支援案件の実績が出来始めた。さらなる連携支援の強化をし、また、進出済みの工場に対しても実務的に工場の利益の拡大する為のセミナー・業務改革を支援をしていく。
  それらの活動の中で、日本語−英語−タイ語のコミュニケーションの難しさを少しでも解消する為の支援も視野に入れて、コミュニケーションスキル・タイでの業務スキルを高める高度人材育成を支援する。

 以上、テーマは、盛りだくさんだが、有能な仲間と強力な連携(”ワクワク・シラチャ生活”Facebookグループ等)が出来つつ有るので、なんとかワクワクしながら進めていけそうだ! 

http://www.business-plus.net/interview/1405/651307.shtml?i=re





【タイの工場管理】「海外工場・現場の悩み」①


海外工場・現地法人に赴任した社長・工場長・管理職には、多くの悩みがある。このコラムではそれを1つずつ挙げていき、その解決法を経験に基づいて示していきたいと思う。

タイでも英語が必須!? 管理職のための言語事情

赴任すると、タイでも例外なく管理業務に英語が必須であることを痛感し、苦労する人も多い。
まず社内に関して述べると、タイ人の大卒は、ほとんど英語が話せるので英語での意思疎通は管理上重要になってくる。社長・工場長が、英語を使わず、日本語―タイ語通訳を介してコミュニケーションをする例があるが、その場合、工場全体が英語を軽視するようになるし、社員の英語の啓蒙も鈍り、社員の英語が上達しなくなってしまう可能性も出てくる。
次に外部との付き合いに関してだが、タイの官公庁・タイのサプライヤー・タイのお客様との付き合いで、上層部は基本的に英語を使うので、ある程度の英語(TOEIC 600-800)のレベルがないと親密な関係つくりが難しくなり、ビジネスにも影響していく可能性が高い。
とはいっても、シンガポール・フィリピン等と違いタイ庶民の英語の能力は平均的に低い為、生活の一部としては、日常会話程度のタイ語は覚えたほうが、いろいろな場面でメリットがある。赴任した後、タイ語を覚えようと努力する人とあきらめてしまう人がはっきり分かれ、3年後5年後には大きな差がついてしまう。タイ語は覚えなくても大きな悩みにはならないが、よりタイ人を理解し、よりおいしいタイ料理を食べ、より余暇を楽しむ為には、タイ語を覚えることがその近道となるだろう。

現地で働くことで改めて実感する「人と風土」

タイという風土と文化については、いろいろな意見があるので、通常はそれを聞き読んで予備知識を入手するが、現地に赴任してからは自分で一つずつ理解していくことになる。“楽観的なタイ人と心配性の日本人の対比”とか、“日本人以上に「No」といわないタイ人の性格”とか、“短気な日本人の管理職と人前で怒ることを軽蔑するタイ人”とかなどが代表的なものである。
ただ、その一般的なことを知らないだけで、日本では有能な人物が、タイで信頼関係を失って仕事が旨く進まない場合がある。
また、日本人よりも何倍も敬虔な仏教徒が90%を越えているタイでは、日本人にとって、他のアジアの国に比べ、親近感を憶え、比較的付き合いやすい国民だと感じる人が多い。