2017/05/15

「東芝とウェスタンデジタルと日立の因縁!」

 NHK NEWS WEBに東芝<6502>半導体売却交渉にかんするウェスタンデジタルCEOスティーブ・ミリガン氏へのインタビュー記事が載っている。
  四日市工場の経営の難易度は高いため、信頼の置けない第三者には任せられないと語った。
 
 ミリガン氏は、日立<6501>2003IBMHDD部門を買収してできた子会社日立GSTCFOとして入社し、多額の赤字の事業を立て直した日立の救世主であった。その時の日立GSTの社長は、北米日立から呼び戻された中西宏明氏(現日立製作所会長)であった。中西氏は、ミリガン氏をCFOとして招聘し、タッグを組んで赤字の子会社日立GSTを立て直し2012年約48億ドル相当でウェスタンデジタルに譲渡して大きな譲渡益を日立にもたらした。 その時に独禁法対策として一部を、東芝にも譲渡している。中西・ミリガン両氏は、蜜月の関係にあり、日立グループ、ウェスタンデジタルへの大きな貢献を認められ、その後中西氏は、日立製作所のCEOとなり、ミリガン氏は、ウェスタンデジタルのCEOとなった。
 現在の複雑な交渉状況の背景には、2012年東芝、ウェスタンデジタル、日立のトップ会談でのHDD事業に関する合意が背景にある。現在、クラウドビジネスの根幹となるデータセンター向けで多大な市場のあるSSDHDD両方のビジネスが緊密に絡んでいることが交渉をさらに複雑にしている。 その有望市場に対し、東芝のHDD部門は、TDK<6762>、昭和電工<4004>とも連携して事業を進めている。
 大きな需要が待っているビジネスだけに、中西氏-ミリガン氏のように有能な人材が国を超えていかに手を組むかが最も重要なことだと思う。 ウェスタンデジタルには、現在も元日本IBM、元日立の優秀なメンバーがデータセンター向け事業を支えており業績も好調である。 東芝に中西氏のような国際的で真のビジネスセンスのある経営者が登場し、経産省の横槍などにとらわれず、腹を割って組める最適なパートナーを見つけて復活を目指して欲しい。

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