2016/10/14

【タイの経済】はどうなる?

 タイでは、プミポン国王の崩御後のことを口にするのは禁句であった。それは、タイの大きな経済リスクの一つとして誰もが懸念することではあったが、タイ人の気質としてその準備をすることをしない。ただ、この悲報に接しタイ人の喪に服する動きは我々の予想をはるかに上回る。政治・経済的には、大きな動きが起こることも十分考えられるが、今はその動向を注視するしかない。
 特にタイを重要拠点として活躍する製造業では、今後の成り行きを冷静に判断してリスクを管理していく必要がある。


 過去のイベントで参考になるかもしれないのが、2008年11月のタクシン派・反タクシン派抗争と空港の閉鎖、そして2014年の5月の軍事クーデターである。いずれも短期的な影響に留まり、経済的な大きな痛手にはならなかった。 その時の株価の動きを良く見ることによって、タイ経済にいかに関連した企業か、またその時にどんな影響を受けたかの参考にできるかもしれない。
 タイが重要拠点と位置づけされる企業の2008年11月、2014年の5月の株価変動を見てみると共通の動きがある。 
 2008年11月前後は大幅に株価が落ち、プミポン国王の仲裁による空港閉鎖の解除の後、株価は戻している。2014年のクーデターの時は、その前段階の選挙後の経済不安が懸念要素となったが、これもプミポン国王の了解の元、国民の支持を受けたクーデターで国民の安心感が広がり株価は予想に反して上昇している。
 今後のタイの政権の動きとタイでの売り上げ比率の高い企業、三菱自、ミネベア、フジクラ、ニッパツ、日電産等の動きから目が離せない。

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