2014/06/08

【タイの工場管理】「海外工場・現場の悩み」①


海外工場・現地法人に赴任した社長・工場長・管理職には、多くの悩みがある。このコラムではそれを1つずつ挙げていき、その解決法を経験に基づいて示していきたいと思う。

タイでも英語が必須!? 管理職のための言語事情

赴任すると、タイでも例外なく管理業務に英語が必須であることを痛感し、苦労する人も多い。
まず社内に関して述べると、タイ人の大卒は、ほとんど英語が話せるので英語での意思疎通は管理上重要になってくる。社長・工場長が、英語を使わず、日本語―タイ語通訳を介してコミュニケーションをする例があるが、その場合、工場全体が英語を軽視するようになるし、社員の英語の啓蒙も鈍り、社員の英語が上達しなくなってしまう可能性も出てくる。
次に外部との付き合いに関してだが、タイの官公庁・タイのサプライヤー・タイのお客様との付き合いで、上層部は基本的に英語を使うので、ある程度の英語(TOEIC 600-800)のレベルがないと親密な関係つくりが難しくなり、ビジネスにも影響していく可能性が高い。
とはいっても、シンガポール・フィリピン等と違いタイ庶民の英語の能力は平均的に低い為、生活の一部としては、日常会話程度のタイ語は覚えたほうが、いろいろな場面でメリットがある。赴任した後、タイ語を覚えようと努力する人とあきらめてしまう人がはっきり分かれ、3年後5年後には大きな差がついてしまう。タイ語は覚えなくても大きな悩みにはならないが、よりタイ人を理解し、よりおいしいタイ料理を食べ、より余暇を楽しむ為には、タイ語を覚えることがその近道となるだろう。

現地で働くことで改めて実感する「人と風土」

タイという風土と文化については、いろいろな意見があるので、通常はそれを聞き読んで予備知識を入手するが、現地に赴任してからは自分で一つずつ理解していくことになる。“楽観的なタイ人と心配性の日本人の対比”とか、“日本人以上に「No」といわないタイ人の性格”とか、“短気な日本人の管理職と人前で怒ることを軽蔑するタイ人”とかなどが代表的なものである。
ただ、その一般的なことを知らないだけで、日本では有能な人物が、タイで信頼関係を失って仕事が旨く進まない場合がある。
また、日本人よりも何倍も敬虔な仏教徒が90%を越えているタイでは、日本人にとって、他のアジアの国に比べ、親近感を憶え、比較的付き合いやすい国民だと感じる人が多い。

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