2017/10/12

【EV時代の心臓部品 バッテリー】

 カリフォルニア州に端を発したZEV規制の流れが、世界各国でのEVへの加速を後押ししている。 EVの心臓部品であるバッテリー関連の動向から目が離せない。


 世界の自動車の40%がEV、年間1億台時代になると、EVマーケットは4000万台、バッテリー産業の規模は2400億ドルとあるアナリストが分析している。鉛蓄電池、LiB(リチウムイオン電池)、ニッケル水素電池、FC(燃料電池)等々の技術動向、グルーバルな量産動向、価格動向が複雑に今後のEV市場に影響を与えるだろう。

< 技術アライアンス >
  • トヨタ<7203>HV向けのバッテリーは、パナソニック<6752>との合弁会社プライムアースEVエナジーが主な供給元である。 プライムアースEVエナジーは、宮城工場でHV用のニッケル水素バッテリーを拡大生産してきたが、需要が増えたLiBバッテリーの新工場を来年にも稼働する。 
  • 日産<7201>リーフのバッテリーは、NEC<6701>との合弁会社オートモーティブエナジーサプライが、供給元であるが、NECは、その株式を売却することを発表した。 
  • 三菱自<7211>ホンダ<7267>は、GSユアサ<6674>との合弁会社リチウムエナジージャパン・ブルーエナジーを設立している。
  • いすゞ<7202>スイフトHVは、日立ビーイクルエナジーのLiBを搭載している。
  • EVバッテリー生産量 No.1中国のBYDは、ダイムラーとの連携を強化している。

<グローバルな量産動向>
  • 車載用LiBのシェアは、BYD、パナソニック<6752>、LG、AESC、GSユアサ<6674>、日立ビーイクルエナジー等の間で熾烈な戦いとなっている。
  • BYD(比亜迪汽車)をはじめとして中国には140社のバッテリーメーカーがあると言われている。2015年、LiB生産シェアの1位は、日本から中国に移り、2020年にはそのシェアが70%になると言われている。
  • 日立化成<4217>は、タイの自動車用鉛電池大手のタイ・ストレージバッテリー(TSB)を買収すると発表した。
  • PTT傘下企業、グローバルパワーシナジーGlobal Power Synergy(GPSC)社は 、電気自動車向けバッテリーの生産を計画していくと発表した。


 EVで先行した日産<7201>リーフのバッテリー性能の劣化による中古車価格の下落が、市場に一石を投じている。電池寿命と安全性という大きな課題に足を救われないよう細心の注意を払う経営戦略が求められる。

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